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線路が好きなら保線をやれ

いよいよ年末になり、意地で登場した今年4回目の幻の院長です。

さて前回の続きですが、全くやる気のないかみさんと早朝の竜飛海底駅に降り立った幻の院長ですが、真っ暗なトンネルをヘルメットをかぶりカンテラをつけて延々と23キロただ歩くだけの企画にいったいどんな人たちが参加しているのかとちょっと気になるところでしたが、意外といわゆるテツらしい若者は全くいなくて、ほとんどが60歳過ぎのいわゆる団塊の世代の方々でした。

やはり、戦後の高度成長を支えてこられた団塊の世代の方々はさすがみなさん健脚ぞろいで、真っ暗なトンネルの中を黙々と歩いていらっしゃいました。

ただ、トンネルを歩くといっても線路沿いを歩くわけでなく、本坑の横の真っ暗な先進導坑をひたすら歩くだけですので、もちろん列車もなにも見えないので本当のテツの人は何も面白くはないかもしれませんが、確かに真っ暗な線路沿いを歩いていてスーパー白鳥かなんかがいきなりやってきたらびっくりするというよりかなり危険かもしれません。

一応、JRさんの企画ですので、安全面もしっかりしており、隊列の最後尾には救護車があり、脱落した人を乗せてくれるのですが、意外と若者の脱落者が多く、健脚揃いのご老人方の方々がお元気でした。

私も最初の18キロは何とか大丈夫でしたが、さすがの青函トンネルさんも最深部にいくと排水に限界があるようで、残りの5キロはトンネル内水浸しで、JRさんの用意した長靴を履いての5キロはさすがにこたえました。

真っ暗な水浸しのトンネルをヘルメットにカンテラに長靴で歩いていると、さすがの私でもいよいよ何のための苦行かよくわからなくなってきている状態ですので、最初からやる気のないかみさんはさすがにぶーたれる余力もなくなってすっかり無表情になっていました。

6時間程かけて23キロ歩いて、やっと吉岡海底駅最深部にたどりついた一行ですが、さすが青函トンネルさんはそれだけでは許してくれません。

その最深部から地表まで約2300段の階段登りが待っていました。

さすがの健脚自慢の団塊の世代の方々もこの最後の2300段はさすがにこたえていたようです。

その階段の横をケーブルカーが走っており、かなりの人がギブアップしてケーブルカーに乗っておりました。

私も元来、階段は苦手なのですが、そのケーブルカーの線路をみるとなぜか急に元気になり、一気に2300段を走って駆け上がり、そのケーブルカーの終着駅などをいろいろ見学していたのですが、かみさんがいつまでも来ないので、また、1000段ほど下っていくと、相変わらず無表情のかみさんが、階段を登ってきたので、

「あれ、歩いてきたの?素直にケーブルカーに乗ればよかったのに」
「・・・・(無表情) なんであなたはそんなに元気なの?」
「いやーなぜか線路をみたら急に元気になっちゃって、地上までいったのだけど、また1000段ほど戻って来ちゃった。」
「そんなに線路が好きならば保線の仕事やれば」

「線路が好きなら保線をやれ」この言葉は私にとって今年一番のありがたい一言でした。

確かに学生の頃から国鉄に憧れていましたが、人と話すのが苦手の幻の院長ですので、どう考えても駅員とか車掌という表の世界ではなく、まして特急の運転手とか花形ではなく、やはり車両整備や保線という裏方の世界の方が向いている気がずーとしていました。

特に「保線の基本は目視」ですので、線路を目視しながら淡々と何十キロも歩くわけで、大変といえば大変ですが、ちょっと憧れるのは私だけではないはずです。

誰もいない誰も知らないところでこっそりと人の役に立っている、これほど私向きの仕事はないと40歳をはるかに超えた今、はじめて気がつきました。

ということで、幻の院長が本当に幻になったら、どこかの路線でこっそり保線の仕事をしようとちょっと真面目に思っている幻の院長でした。

通勤通学の際に見かけても声をかけないで下さい。